「何がしたい?」と聞かれても、すぐには答えが出ない。そんなとき、人生を懸けたい何かを見つけようとすると、かえって言葉が出なくなることがあります。
まずは、最近の一日へ戻ってみませんか。少し気になったこと。思わず調べたこと。人に頼まれて、つい工夫したこと。大きな夢にする前の、小さな反応を拾うところから始めます。
「好き」「得意」「大切」は、いったん分けてみる
同じ出来事の中にも、違う手がかりが含まれています。資料づくりが楽しかったとしても、調べることが好きなのか、分かりやすく整理するのが得意なのか、相手の不安を減らすことを大切にしているのかは、まだ分かりません。
急いで「向いている職業」に結びつけず、何に心が動いたのかを分けて書きます。
友人の旅行計画を手伝った。移動時間を調べるのは自然にできた。相手が安心した顔を見たのはうれしかった。でも、予定を細かく決め続けるのは疲れた。
この経験なら「旅行が天職」ではなく、「情報を整理して相手の不安を減らすことに手応えがある」という仮説から始められます。
5分のワーク:心が動いた場面を一つだけ
- 何があった? 最近1週間の、少し気になった出来事を書きます。
- 自分は何をした? 「優しかった」より「相手の話を聞いて、選択肢を二つに整理した」のように動詞で書きます。
- どこがよかった? 楽しかったこと、自然にできたこと、大切にしたかったことを分けます。
- どこは負担だった? 好きな経験の中にあった疲れや違和感も残します。
何も浮かばなければ、「やりたくなかったこと」からでも構いません。嫌だった条件を一つ外すと、何なら少し試せそうでしょう。
答えを決めるより、確かめる機会をつくる
次の1週間に、同じ行動を小さく試せる場面を一つ選びます。人の相談を整理する、本について10分調べる、気になっていた場所を歩く。その前後の気分と、続けたいかを記録してみてください。
1回楽しかっただけで、仕事にする必要はありません。反対に、1回疲れたからといって、自分には向いていないと決める必要もありません。条件を変えながら、あなたの輪郭を少しずつ確かめます。
「私は__をしているときに心が動く。__という条件なら、もう一度試してみたい。」
書けないときの3つの入口
楽しかったことが浮かばない:保存した写真や、後で読もうと思った記事を一つ見ます。「何に引っかかったのか」を書くだけでも構いません。
仕事以外のことしか出ない:それも材料です。料理の段取り、友人の話を聴くこと、休日の過ごし方にも、自分が大切にしていることは表れます。すぐ収入や職業につなげず、生活を豊かにする選択として扱えます。
候補が多くて決まらない:今週15分で試せることを一つ選びます。「一生続けるか」ではなく「もう一度試したいか」を確かめてください。
書いた後は、3つの言葉を残す
「気になること」「自然にした行動」「大切にしたいこと」を一つずつ残します。たとえば「旅先の情報・比較して整理する・相手が安心できること」。同じ行動が別の日にも出てくるかを観察すると、一つの出来事だけで自分を決めずに済みます。
この記事は経験を整理する実践提案です。興味・スキル・価値観を分けて振り返る別の入口として、厚生労働省のマイジョブ・カードの自己診断もあります。本ワークが同機関の監修・認定を受けたものではありません。
気づきを、自分の選択につなげる
まずは一つの場面を書き出してみてください。さらに整理したいときは、記入例つきのワークや、INSIGHTの問いを使えます。